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まだ読了してないけど、間違いなく必読の書!『人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略』

皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!FP修行中のオットー@AFPです。

新年のはじめは、予告していた「お宝個人年金」の実録記事にしようと思っていたのですが、たまたま書店で見かけて購入したこの書籍が非常に良かったので、紹介しておきましょう。

ちなみに、まだ全部読めていません。。。

それもそのはず、一般的なマネー本、投資本と同じサイズ(版型)ながら、ページ数も多いし、文字が細かいので、類書の二倍程度の情報量が詰まっているから。

イデコやNISAの部分は、まあ類書が多いので重複も少なくないですが、公的年金制度に関する部分は、やはり読み応えがあります。

公的年金はなにかと「政争の具」にされがちですが、基本的に制度設計は年金数理人「アクチュアリー」のみなさんの高度数学の叡智の賜物であり、システム自体は公務員(あるいは準公務員)が粛々と生真面目に運営しているので、「消えた年金」みたいな制度上の陥穽あるいは盲点(?)があったとはいえ、基本的には信頼に足る制度ですし、公務員の性質的に、合理的、科学的な批判を重ねることによって、より洗練されてゆく類のものです。

ということを具体的に説明してくれるので、そこが最大の読みどころだと思います。(まだ全部読んでませんけど!)

ということで、短い記事ですが、若干興奮気味にフライングで紹介してみました。

それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。

参考

👇『人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略』は、定評ある以下の書籍のリニューアル版なのです。

👇こちらの本も、非常に参考になります。本の作りは非常にお手軽な感じで、実際そのとおりですが、その資産形成の手法、内容は非常にオーソドックスで、全く違和感がありません。

大家業務が発生するのが嫌だし、いざというときの流動性に劣るので不動産投資は行わないというのも納得です。

利回りはいいけど、基準価格がフラフラするのでリートも投資対象としていないというあたりの投資方針の明快さもさすがですね。

「10兆円大学ファンド」のペイアウトは2024年度に開始します!ってホントに大丈夫?

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皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!FP修行中のオットー@AFPです。

本年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。といっても、まだFP業務は始めていないので、お客さんがいないわけですが!

さて、個人的興味および個人投資家の立場から執念深くフォローしている「10兆円大学ファンド」の動静ですが、新情報がありました。
www8.cao.go.jp

そもそも何年度から特定研究大学等への支援を開始するのかという問題が明確になっておらず、いろんな憶測を呼んだのですが、政府見解(専門調査会資料での文科省資料「世界と伍する研究大学の実現に向けた制度改正等のための検討会議の検討状況について」)としては2024年度から開始したい意向のようです。

「世界と伍する研究大学専門調査会」に提出された文科省資料によれば、2024年度(令和6年度)からの各大学へのペイアウトの計画が明示されています。
www8.cao.go.jp

しかし、現実的に考えるとこれはなかなかアクロバティックな計画と言えます。

問題その1

まず、「10兆円大学ファンド」と俗称されながらも、実のところまだ10兆円は集まっていないからです。なにしろ、10兆円ですからね!当然のこと、まだ半分程度しか集まっていません。

ペイアウト開始までに2年あるといえ、そもそも運用の原資が完成していないのです!

2022年度概算要求に残り5兆円の措置を盛り込んだそうですが、果たして目論見通りいくものか?

まあ、政策としては現政権の最重要政策なので、ここは財政投融資でなんとかなるのでしょうね。(単純に凄いなあ…)
www.bloomberg.co.jp

問題その2

仮に2022年度で10兆円のキャッシュが集まったとしても、ペイアウト開始までに2年しかありません。

そもそも、株式65%と債券35%の比率(実際にはオルタナティブも含むから変動しますけど)で市場から株式や債券を買い付けないといけないですよね。

2年間で10兆円分の爆買いが始まります。

そもそも目標とするポートフォリオの完成には10年程度要するという専門家意見もあったわけですが、一気に2年で完成するでしょうか。

日銀による異次元の金融緩和では、コロナ対策もあり2020年に実に7兆円のETF買い入れを行っているので、2年間で10兆円の爆買いも不可能ではなさそうですが、単に買い入れるだけではなく、運用して年利3%(物価上昇率を除いた実質)の運用益を達成する必要があります。

こちらの方がハードルが高いでしょうね。しかも運用益なんて極短期では運任せですからね。

ちなみに、「10兆円大学ファンド」の成功を基礎とするこの「世界と伍する研究大学」の具体的な制度的な立て付けについては、明らかな間違いがいくつかあり、目論見通りにうまく行かないだろうと、個人的には感じていますが、その点については、後日記事をアップしたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。

『10兆円大学ファンド』はどこから来たのか?

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皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!FP修行中のオットー@AFPです。

「10兆円大学ファンド」の発案者(の一人?)が自民党の甘利議員であったことをお伝えしたところですが、すでに2019年に以下のような記事が出ていたのですね。

まだ「大学ファンド」構想には言及されていませんが、もともとの目論見はよく理解できますね。
www.kyoikushinsha.co.jp

以下のような発言もあり、非常に興味深いですね。

――単年度主義から脱却できるのか。ところで、2014年10月の産業競争力会議で「大学改革が日本経済の活性化の1丁目1番地」と発言していた。なぜ、そう考えたのか。
甘利 36年前に政界に入った時から、自分のライフワークは通商産業政策と決めていた。日本は資源もないし、土地も山ばかりで平地は少ない、ハンデを背負った国が生き残るには、知恵を価値にするしかないと思っていた。

実際のところ日本が生き残っていくのは、人材しかないのは確かです。そのとおりです。

この記事を読むと、近年の国立大学法人の変化(改悪?)は、この人が主導していたのかと気づきました。(悪の元凶?)

でも良いことも言ってますよ。例えば、以下の発言など傾聴に値します。

――国立大学とは何か。税金を投入する正当性はあるか。
甘利 税金を投入する正当性はある。何の役に立つかわからないことを、どこかで研究しなければならない。公的資金で支えなければ。宇宙はどうしてできたのかは、すぐには実社会の役に立たないけれど、いいじゃないか。探究心、そこからブレイクスルーも出てくる。
(太線は筆者)

まず、基本的に「イノベーション」は狙って起きるものではないことが科学的に確認されています。

なので、「イノベーション」を期待するなら、全方位的に幅広く、しかも長期的に投資するしか方法がなく、その中からたまたま社会的に役立つ成果が爆発的に誕生する幸運を神に祈ることしかできないのです。

このことは、株式投資にも当てはまるので、資産運用の参考にしてほしいのですが、人間のできることは限りがあり、この先に何がどうなるかは予測できません。そんな能力は人間に与えられていません。

なので、幅広く投資しておいて、運良く株価全体が浮揚したり、特定の株式が高騰したりする偶然(幸運)を待つことしか、できることがないのです。

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。

「10兆円大学ファンド」の発案者はあの大物議員だった!?

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皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!FP修行中のオットー@AFPです。

「10兆円大学ファンド」の発案者は誰か?

個人的にウォッチを続けている「10兆円大学ファンド」の行方ですが、そもそも誰が発案したのか、今まであまり考えたことがなくて、なんとなく昔から文科省あたりで燻っていた懸案事項と思い込んでいました。

でも、実は「10兆円大学ファンド」は純粋な政治案件だったのですね。今の今まで知りませんでした。不明を恥じるばかりです。以下の記事をどうぞ。

www.sentankyo.jp

以上のように、自民党の甘利議員が発案者だったのですね。

この記事を読む限り、部分的には色々と違う気がするところもあるものの、大筋としては間違っていないと感じます。

例えば以下の部分は非常に興味深く、「10兆円大学ファンド」の肝の部分が、甘利氏はじめ周辺のブレーンによって構想されたことを感じさせます。

甘利:日本の大学を知識産業体に変えていくため、遅まきながら、そのために必要な基金を創設します。

先ほど例に挙げた通りハーバード大学など海外の大学の寄付金は日本と比較とするとけた違いです。今から日本の大学がすぐに真似できるのかと考えれば、もう国が用意するしかないということで、10兆円の基金、取り崩しではない運用ファンドを作ろうとしています。

知識産業体として前向きに取り組み、世界と戦うための改革をしていく大学に限って、研究・運営費として支給するのが目的です。

これは途方もないプランですが、私はこれをやらなければ、日本の基礎研究から始まる研究力やそれをマネタイズして実用化する力は、完全に世界で負けてしまうと思います。ですから、説得に説得を重ね、ようやく財務省の了解を得られました。

ただし、赤字国債は原資にしないという大前提で、まずは財投債から4兆円を調達し、おそらく財務省は初めて保有する「金」を売却して4,500億円の原資も作りました。ファンドは5兆円程度から始めて2~3年で10兆円規模に増やし、プロの方々に運用していただきます。

そして年2,000億~2,500億円程度となる見込みの運用益を、改革を志向、実践する大学に投入します。また、地方の大学では、地元のシンクタンクとして地方の繁栄に貢献していくという明確な意思を持ち、そこへ向かっていくところを将来は支援したいと思います。
(出典:https://www.sentankyo.jp/articles/b9c70400-f384-4b92-a794-d4698e73e9a9)(太線は筆者)

なるほど!!

本来欧米の大学のファンドは各大学が自分の裁量で運営しているわけですが、わが国の場合は、大学に任せておいても埒が明かないから、国が直接手を出すよ、という考え方だったわけですね。ものすごい思いきりだと思います。

財務省を説得したのも甘利氏だったわけですか。。。コロナ禍のどさくさ紛れに補正予算を通したというのが筆者の見立てだったのですが、あながちそうでもなく、すでに道筋は作ってあったわけですね。

地方大学は「世界に伍する研究大学」たりうるのか?

地方大学についても触れられているところも興味深くて、助成対象として旧帝大がメインターゲットであることは誰しもわかるとして、地方大学を仮にも「世界に伍する研究大学」として認定する気があるのかというところは、多分大学業界でも話題の的だろうと想像します。

正直、無理筋だろうと思っていましたが、発案者の甘利氏がこう発言している以上、実現するのでしょうね。岸田総理は甘利氏に義理立てして、「10兆円大学ファンド」をプッシュしているとの噂があります。

まあ、こうなってくると「第二運営費交付金という揶揄も無理ないことに思えてくるのですが。

優秀人材を給与で釣れ!?⇨釣れません!

一方でこんな発言もあります。

他には、国立大学が外部から優秀な人材を採用するような場合に、公務員給与の枠を超える給与を支払える体制も作っていきます。
(出典:https://www.sentankyo.jp/articles/b9c70400-f384-4b92-a794-d4698e73e9a9

ということですが。。。これはほぼ無理です。確かに法制度的にはできるようになった、あるいは天の声で無理やりそう仕向けられたのですが、わが国の大学では無理です。

これはメンタリティの問題で、欧米大学や外資系企業とは違い、国立大学では同僚たちの給与が何倍も異なるようなことは、大学人は誰も喜びません。完全に日本人の心性を読み間違えています。

そんなことより、自分の知的興味だけに忠実に、自由度の高い研究ができることを大学人(研究者)は喜ぶのです。そんな環境を創出することこそが肝要なのです。少なくとも、それは給与の多寡ではないのです。

次回に続く

さて、ほんとうは東京新聞の記事が非常に興味深かったので、そちらを書きたかったのですが、今日はこれにて時間切れ、終了とします。

該当の記事だけ、お知らせしておきますね。
www.tokyo-np.co.jp

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。

「10兆円大学ファンド」にまつわる、取らぬ狸の皮算用とは?

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皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!FP修行中のオットー@AFPです。

さて、個人的に気になって仕方ない「10兆円大学ファンド」の続報です。

ブルームバーグにこんな記事が載りました。いつか出るだろうなあと予想していた趣旨の内容です。

www.bloomberg.co.jp

野村証券は、運用目標や許容リスクなどから、基本ポートフォリオの国内株式ウエートは25.7%~32.9%と推定する。国内外の株式と債券に4分の1ずつ割り振るGPIFと比べて日本株の割合が多くなるとの予想だ。

10兆円規模「大学ファンド」、TOPIX押し上げ効果最大6%か - Bloomberg

いくらなんでも、期待的観測が過分に含まれていると思いますが、どうでしょう。

以前の記事では、JSTの喜田理事は現状では円建て資産の比率はあまり多くないような口ぶりでしたからね。

この施策がうまくいって、大学発の知的財産で経済が潤い、円高になれば円建て資産を増やすという意向だったような。普通に考えて、十年スパンの話だと思いますが。。。

同証アナリストの池田雄之輔氏らによると、目先に見込まれる日本株の買いは1兆1600億円~1兆4800億円。9月30日時点の東証1部時価総額で試算すると、TOPIXを4.6%~5.9%押し上げるという。

10兆円規模「大学ファンド」、TOPIX押し上げ効果最大6%か - Bloomberg

はい出ました!希望的観測!まさに「取らぬ狸の皮算用」!

でも、日本の金融市場の期待感はそんな雰囲気なのでしょうね。わからないでもないけど、眉唾ものと思っておきましょう。

T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフストラテジストは、「規模感はGPIFに比べれば小さいが、日銀が日本株をあまり買わなくなった今、需給を好転させる材料になり、下落局面で下支えしてくれる期待はある」と話す。

10兆円規模「大学ファンド」、TOPIX押し上げ効果最大6%か - Bloomberg

第6のクジラとも呼ばれる「10兆円大学ファンド」ですから、予想通り、GPIFの代替的な役割が期待されています。

もちろん、「10兆円大学ファンド」の創設が現政権の重点政策になっているのは、政府にもその意図があるからで、GPIFに代わる株価浮揚策というわけですね。

そもそも、「10兆円大学ファンド」は「総合経済対策」として提案された施策ですから、純粋な学術振興ではありません。

あくまで、経済ありきで、長期的な産業育成のためのネタを考案してくれそうな研究大学に金を付けるよというもの。

そして、短期的にはファンドが日本株を買い支えて株価を押し上げることも期待のうちでしょう。GPIFがうまくいったから、二匹目のドジョウを狙ったわけですね!

目論見通りにうまく回れば、われわれのような庶民投資家にも株高の恩恵に預かれるわけで、悪い話ではないです。そんな意味からも、今後の動向には要注目です。

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。

暗雲が垂れこめる「10兆円大学ファンド」の最初の躓きとは?

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皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!FP修行中のオットー@AFPです。

お馴染みの(?)「10兆円大学ファンド」の観察記事です。

鳴り物入りで発足した「10兆円大学ファンド」ですが、いきなり躓いているようです。

運用管理を任されたJSTに喜田理事がこの6月に着任したことは以下の記事で触れましたが、オルタナティブ投資の専門家を少なくとも20~30人採用予定だったところ、8月時点で全く採用者が決まっていないとのこと。

情報源はファイナンシャル・タイムズの喜田理事インタビューなのですが、元記事は参照できませんでした。
かわりに以下のサイトで全文が読めました。
californianewstimes.com

類似記事はブルームバーグにも出ていますね。
www.bloomberg.co.jp
ファンド運用の大半は外部の金融機関に入札で外注するけど、オルタナティブ運用は内製で回すつもりで、そのための大学ファンドの運用担当者が20~30人必要ということでしょう。

このスペシャリストの採用枠が埋まらないというわけですね。

その理由は単純に賃金が安すぎることだそうです。とほほ。

「特に日本では非常に難しいです。JSTは公的機関であり、給与はあまり柔軟ではありませんが、金融業界から非常に才能のある人材を採用したい場合は、競争力のある給与を設定する必要があります。」
https://californianewstimes.com/japans-90bn-university-fund-struggles-to-draw-talent-despite-size/554092/
by google翻訳

また、同記事には以下の記述があり、こちらも気になるところです。

一方で喜田氏は、大学ファンドの運用益で研究を支援する仕組みが「本当にうまくいって国力が上がると、円高になり、大学ファンドのパフォーマンスは下がる」とも指摘。その場合は「円建て資産を増やすことになるだろう」と語った。
www.bloomberg.co.jp

現状では、少子高齢化の進展で日本の国力は長期的に低迷し、円安傾向に移行するとの見方が一般的なので、やはり大学ファンドの立ち上げ当初には円建て資産は比較的少ないということですね。われわれ一般の個人投資家も参考にしましょう。

目論見通り国力が上がるところまで辿り着くと素晴らしいですね!

地政学的に天然資源に恵まれない日本には、人間(の知力)という財産しかないですからね!(個人的には、独特の変化の激しい自然環境の持つ潜在的エネルギーを、将来的には利用できるようになるはずと信じますが、そのためには、とにかく基礎研究が大事!)

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。

JST 喜田理事が語る「10兆円大学ファンド」の目論見とは

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皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!FP修行中のオットー@AFPです。

さて、個人的興味からウォッチを続けている「10兆円大学ファンド」の行方ですが、興味深い記事がありました。

www3.nhk.or.jp

大学ファンドの運用はなぜかJST科学技術振興機構)に委託されたのですが当然のことながらファンド運用の人材はいないので、さっそく経験者のなかなら優秀な方がスカウトされました。

農林中金の元常務の喜田昌和氏です。
www.jst.go.jp

NHKの取材に対して、喜田運用業務担当理事は以下の通り語っています。

Q:「4.38%」は高い目標では?

A:リターンの水準自体は、許容されたリスク量の範囲で過度に野心的だとは思わない。ただ、トレンドとしてグローバルな成長率は落ち、金利が上がりにくい環境になっているので、従来よりリターンが出にくいことは覚悟している。

キーワードは、“局面に応じてポートフォリオ(運用資産の組み合わせ)を変えていくこと”。過度にリスクを取ることはないが、慎重になりすぎると運用目標は達成できない。調整局面でのリスクマネジメントが一番重要になるが、逡巡せずにやっていく。
(太線は筆者)

注目ポイントのひとつめは、将来的にこれまでのようなリターンは期待できないと認識していること、ですね。

これはわれわれ一般の投資家も意識しなければならないことです。株価の成長性も鈍化傾向が見込まれています。

2つめは、ポートフォリオを機動的に変える運用を行うこと。

これは意味合いとしてはむしろアセット・アロケーション(資産クラスの配分)のことなのか、アセット・アロケーションポートフォリオ(具体的な金融商品)も両方含めているのでしょうか。

株式65%:債券35%というアセット・アロケーションを公言しているので、やっぱりポートフォリオのことでしょうか。金融商品の入れ替えは、たしかに必須でしょうが、文意としてはアセット・アロケーションの変更を示唆しているようにも見えます。

ただ、一般の庶民投資家は真似しないほうがいいですね。下手に触っても失敗するこことが多いと言われています。一定のリスク水準を設定したら、年一でリバランスを行うくらいが精々でしょう。

そして、もっと気になるのが以下の件。

Q:運用益を大学側に還元する時期は?

A:5年というのが一つのめど。
このファンドの最大のリスク(懸念)が、大学側に運用益を配分できないこと。また、一度配分が始まったら、来年は出さなくてもいいだろうというのはあり得ない。安定的に配分できる軌道にいかにのせるかが、私のミッションだ。
(太線は筆者)

これ、大丈夫でしょうか。

世界に伍する研究大学(具体的な大学は未定)への運用益3000億円の配分が開始されるのが、5年後とは。これはちょっと初耳でした。

大学ファンド資金運用WGの伊藤委員長はペイアウトを始める時期は「2022年の4月が予定されている」と委員会で発言しているので、随分食い違います。

現実的には喜田氏の発言のほうがリアルだと感じますけどね。いきなり来年度からの配分はまさにタコ足配当みたいなもの。

改めて確認したところ、以下の通りの記述がありました。

運用開始以降 5 年以内の可能な限り早い段階で当面の支出上限額 3,000 億円(実質)の運用益の達成を目指す。
また、許容リスクを踏まえて適切にリスクテイクするとともに、投資実行までに時間を要する資産の特性も考慮しつつ、10 年以内の可能な限り早い段階で長期運用目標を達成するためのポートフォリオ構築を目指す。

「世界と伍する研究大学の実現に向けた大学ファンドの資金運用の基本的な考え方 (案)」
令和3年7月 総合科学技術・イノベーション会議、世界と伍する研究大学専門調査会、大学ファンド資金運用WG

なんとポートフォリオの完成は10年後!

何しろ、10兆円の巨大ファンドなので、まず10兆円あつめるだけど時間がかかるわけで、確かにそれだけ時間がかかるということですね。

このあたりは素人には計り知れないところがありますが、ポートフォリオの完成は10年後としても、実際の研究大学へのペイアウトは5年後には開始するという感じでしょうか。

いや、それにしても遅すぎるかも。。。伊藤委員長の来年度からペイアウトの発言はあまりに、無理筋としてもねえ。

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。